俺はどうすれば良い?|泣くなぐ|クラクラ

この記事は約2分49秒で読めます

ここまでの”泣くなぐ”一気読み

「秘密保持契約によって国内の有力な動画実況者やブロガーにアプデ情報を提供し、彼らにアプデ広告を担わせる。確かに一つの方法としては正しい。しかし、彼らの動画実況、ブログ内容などすぐにSMSの情報の波に追いつかれる。クラクラユーザーが求める情報ってコレで良いのか?もっとこう。スーパーセルの考え方や今後の開発の方向などを指し示し、更にその議論に引き込む事が重要ではないのか?幸いスーパーセルにはユーザーの意見を聞き、語り合う準備がある。ただ日本人は悲しいかなその英語力の低さと島国特有の奥ゆかしさでその議論の場に出たがらない。これでは日本はクラクラ最前線から遅れてしまう。それは日本公式としても望むところではない。ではどうすればいいのか。ポチョムキンであり、クリプロの有効活用である。」

小鳥遊良子の提案書に目を通した日本公式チーフの大和川満は1人苦笑いする。

ごもっともだな。

満とて今のままの日本公式体制で良いとは思っていない。

使える実況者はせいぜいギレンとオッキオッキくらい。

緑の狸はリアルが忙しいのかやっつけの記事でお茶を濁している。

これではいずれ日本はクラクラ後進国と世界から見られかねない。

すぐに手を打たなければ。
その先駆けとしてのクロロフォローだった。
クリプロと連携できれば。
公式の足りないところを埋めることができる。

満は悩んでいた。
ポチョムキンは親友だ。
彼を盛り立てるためなら何でもする覚悟ではあるが、彼からはフォローを待つように言われている。

しかし、もう待てない。
ポチョムキンが好き。
この湧き上がる想い。もう抑えきれない。

これは親友としてのそれなのか。
それとも男と男としてのアレなのか。

満は携帯に手を伸ばす。
通話先はポチョムキン。
まず、彼と話をしなければ。

「どうした?満。」
日曜日午後9時、満からの電話だ。
こんな時間に電話なんて珍しいな。

日曜日にはクラクラをしない。
ポチョムキンのライフスタイルは多くの人間が知っている。

家族想い。
そんなイメージをポチョムキン自身が植えつけてきた。

この時間に満が電話なんて
それだけ重要なことなんだろう。

「ごめん、仕事の電話…」
訝しがる相武沙希似の嫁に一声かけ、
ポチョムキンは自宅の屋上に上がる。

「で、どうした?日本公式さん。」

満とは高校時代からの腐れ縁。
彼が日本公式に任命された時も、公式入りを依頼されたくらいだ。面白くなさそう、と断ったのだが。

実は…」

俺をフォローする話か?
前にも言ったろう。今はその時ではない。
パーティにはもっとこう、タイミングてのが有るだろう。

俺をフォローするならば、
其れなりの舞台を用意しないとな。
どうだ、エイプリルフールを利用するというのは?

それと、この間話したお前ん所の部下。
小鳥遊良子さん。
そうとう俺に惚れこんでるな。
ちゃんと手綱を握っておけよ。
暴走し始めているぞ?

Xデーはエイプリルフールか…

嘘は怖い。
嘘はいけない。
小さなころから母親にそう教わっていた。

いーけないんだいけないんだー♪
せーんせいにいってやろ♪
満が初めて嘘をついたあの日。
それを見つけたクラスの男子が騒ぎ立てる。

本当は好きだった。
なのにあの子を泣かせてしまった。
恥ずかしかったのだ。
まだ若かった自分。
その秘めた想いを他人に揶揄されるのではないかと。

ただ好きって気持ちは
本当に素晴らしい事なのに。
嘘をついた。
僕は君なんか好きじゃないと。
大好きだったのに。
その日以来、満は嘘をつかない。
エイプリルフールに世間が踊る中
満だけは踊らなかった。

でも、
でも。

ポチョムキンを裏切れない。
彼を盛り立てることが満の役目だ。
自分は、この思いに嘘はつけない。

満の腹は決まった。
内線で小鳥遊にコールする。

「ああ、大和川だが。ポチョムキンについて話がある。こちらに来れるか」

関連記事