すき家でアンケート|泣くなぐ|クラクラ

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何故ポチョムキンをフォローしないんですか!

小鳥遊はまた、演説を打つ。
今日の聴衆は動画チームリーダーの渡だ。

先日の飲み会で「ポチョムキンをフォローしてもいいんじゃないですか?」と小鳥遊を援護してくれた彼を仕事終わりに捕まえたのだ。

彼の所属するクリプロのリーダー、クロロをフォローしたのにポチョムキンをフォローしない理由が分かりません!!

小鳥遊は今日も元気だ。

何で君はポチョムキンに拘る?

渡は、逆に小鳥遊に問いかける。
真っ直ぐで無鉄砲、後先なしに突っ走っては周りを巻き込む。だがそれでいて周りの評価は良い。人によっては彼女に巻き込まれることを楽しんでいる人間もいる。

似ている。

昔の、満に。

満とは高校時代からのくされ縁、日本公式も満と二人でその基礎を作った自負が渡には有った。

まるで君は昔の大和川満を見ているようだ、なんて言ったら小鳥遊は信じるだろうか。

アレは俺たちがクラクラを始めた4年前、まだ日本公式を立ち上げる前のことだ。



毎日残業で、晩飯を会社の前のすき家で済ませるのが満のお決まりパターンだ。

「今日も残業決定。じゃあちょっとすき家で飯くってくるわ。」

残業にうんざりなはずの満が、何故かウキウキして居るのには訳がある。

男がウキウキする理由なんて昔から一つしかないだろう?女だ。

満はすき家の店員に一目惚れしたんだ。
毎日のように通うだけでなく、同じ時間、同じ席、同じメニューをただ食べる。

そんな事を1ヶ月繰り返していた。

俺が、さっさと声をかけろよ?
って言うと満は決まって無邪気な笑みを浮かべて「慌てんなよ、ちゃんと順調に進展してるよ。表に見えないだけさ」と受け流す。俺にはとんと意味がわからない。

そして満はこういう。

「同じ肉食系でも渡はゴーレムだ。なんでもパワーで粉砕する。確かにハマると強いが大概の女の子は逃げちゃうよ。その点俺はゴブリンだ。最低限の力で巧妙に獲物をハントする。まぁ見てなって」

全然わからん。
直ぐに告白してダメなら次に、それが一番手っ取り早いじゃないか。

俺も実はその子の事気になってたから、早いとこ順番が回ってこないかと待ってたんだよ。

満は親友だ、抜け駆けはしたくないからな。

で、1ヶ月半が過ぎた頃にある些細な事件(と言うには程遠い出来事)が起こった。

その日は俺も一緒にすき家についてったんだが、満がいつものメニューを頼もうとした時だ。

満「え〜と…」

彼女「ハーブチーズ牛丼セットミニですね。」

満「え?」

彼女「あ!すみませんついいつもと同じかと」

満「いえ、今日もそれでお願いします。」

真っ赤になった彼女は俯いたまま奥に引っ込んだ。な、全然たいしたことない出来事だろう?

ただ、ゴブリン満はその機を逃さなかった。
流石ゴブリン!俺たちにできないことを平然とやってのける!!そこに痺れる憧れるぅ!!

ゴブリン満は、次の日にあるメモを俺に見せた。

アンケート表
⑴ あなたは幸せですか?
⑵ 好きな人はいますか?
⑶ 恋人はいますか?
⑷ 僕と付き合いませんか?
回答は、jaguarxxx@i.Softbank.jpまで。
大和川ゴブリン満

なんなんだそれは?

俺は全く意味がわからなかったが、満は黙って付いて来いと俺をすき屋に連れ出す。

そして、ハーブチーズ牛丼セットミニを平らげた後、お会計の時にそのアンケートを彼女に渡したんだよ!!

信じられるか?
なんなんそのメルヘンアンケートはっ!

こいつはクセェ!
ゲロ以下の匂いがぷんぷんするぜぇ!!



で、どうなったんですか?
良子は満の恋バナに興味津々丸である。

ん?付き合ったよ。

ええええええええ?本当ですか?本当なんですか?

渡の言葉に、小鳥遊ははしゃぐ。

ゴブリンって!!ゴブリンってwwww
まさかあの満が、そんなメルヘンチックな方法で女性を口説くなんて。信じられないしおもしろすぎる。

これは使える…。
小鳥遊は不敵な笑みを浮かべた。

翌日、公式オフィスで小鳥遊は、満の後ろからほとんど聞き取れないほどの小声で呟く。

「ゴブリン…満」

!!!?

 

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